女性のための英語 English for Girls

あなたの脳のはたらきをそのまま使う最も自然な訓練方法
2010年6月10日(第一回)から毎週木曜日の教材提供
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女性のための英語(22):緊急特集―オバマさんが大変

若い女性が尖閣諸島での菅内閣の対応を批判しているというのを世論調査を読みました。

本来的に政治好きでない私ですが、それに刺激されて今回は特別アメリカの中間選挙を取り上げます。そんな会話のチャンスもあるかも・・・と思ってのことです。

 

アメリカで中間選挙の投票が112日に行われました。オバマ大統領が所属する民主党が多くの議席を失ったという報道は、既にご存知と思います。

ちょっとアメリカの議会制度を簡単に覚えておきましょう。

議会(Congress)は、下院(House):衆議院のようなもの、と上院(Senate):参議院のようなものとからなり、下院議員は、House representative、上院議員は、Senator と呼ばれます。

 

上院

50州のそれぞれから二人の議員、100人で構成され、任期は6年で、2年ごとに3分の1ずつ改選されます。

下院

定員435名で、州の人口に応じて、各州に定数が割り振られ、任期は2年で、全員が一緒に改選されます。

 

選挙は大統領選挙(前回は2008年11月で、オバマ上院議員が大統領になりました。)と一緒か、ちょうどその中間に行われます。大統領の任期は4年ですから、今回の選挙は中間選挙(Mid term election)と言われるのです。

 

典型的な二大政党制で、民主党(Democratic Party)と共和党(Republic Party)からなり、民主党員をDemocrat、共和党員をRepublicanと呼びますが、どちらにも属さない人もおり、独立派という意味で、Independentと呼ばれます。

 

ややこしい話は別にして、選挙前の下院の民主党は60議席失って255議席から186程度になり、共和党が60議席増えて239程度になりました。大逆転です。程度というのは、今の時点でもまだ10議席の行方が不明だからです。

一方上院は、未だ2議席確定していませんが、民主党は59から52に減り、共和党は、41から46に増加しました。上院でも共和党が勝つのではないかと予想されていましたが、民主党がかろうじてMajority(多数派)を確保しました。

 

ざっくばらんに言えば、共和党は大企業寄り、富裕層寄りと言われています。

前大統領のブッシュ(Bush)さんは共和党でした。世界の金融危機のきっかけとなったリーマン・ブラザーズの破綻は、20089月でオバマ大統領が生まれる2ヶ月前のことです。バブルが弾け、ローンの支払いができなくなって家を失う人が増え、失業率は上がりました。ブッシュ政権の8年間の結果と強く非難される中で政治を変える(Change)をスローガンにオバマ大統領が805に近い支持率で誕生したのです。就任は2009121日でした。今から一年10ヶ月前のことでした。

しかしながら、失業率は依然として9.6%、目に見える経済の改善が見られないことに加え、オバマ大統領の対立を好まない性格が優柔不断なリーダーシップがないと映り、アメリカ国民の期待は失望に変わりました。

この間、ティーパーティと呼ばれる保守的な政治グループが全国的に広がり、オバマ大統領は社会主義者だの、アメリカ人ではないだのという攻撃が激しくなり、それや」これやの理由から今回の結果が生まれたというのが今時点での見方です。

退屈ですか?日本の新聞では茶会と呼んでいますが、ティーパーティのことを知りたい方はここと、ここをクリックしてください。

前置きが長くなりました。

民主党が負けそうだという状況から、どちらと言えばおとなしいオバマ大統領も選挙前には必死になりました。リスニングの訓練もかねて、このビデオを見てください。投票日を前にシカゴで行った2分間のスピーチです。

もうひとつ、フィラデルフィアでオバマ大統領支持ボランティアを相手に行った7分間のスピーチです。「長いスピーチはしない。週末戸別訪問をして、電話をして、美容院でも、教会でも、どこでもみんなに投票するよう呼びかけてくれ。」というものです。

民主党が負けそうだという記事が選挙前に氾濫しました。読者の投稿に胸を突かれたものがありました。67歳の女性、Carolさんです。

 

I believe President Obama is simply a handy scape-goat whom we can blame for the lack of moral standards in our personal, business and political lives.

オバマ大統領は私たちひとりひとり、企業、そして政治のモラルのなさを批判する犠牲に過ぎないと思います。

We have put no real pressure on Wall Street to change. Everything he has struggled with was handed to him by irresponsible and morally bankrupt persons, some of whom we elected, and many of whom we blithely watch being paid for buying politicians, defrauding millions of people from their savings, and blaming it all on the poor.

私たちは、ウォール・ストリート(投資銀行などの金持ち金融業)変革のために本当の圧力を掛けませんでした。彼が必死にやってきたすべてのことを無責任でモラルのない人たちが台無しにしたのです。その中には私たちが選んだ議員も、政治をお金で買った人たちも、何百万人もの人を騙して貯金を奪い取った人も、みんな貧乏人のせいだと非難した人もいます。

Barack Obama is the most intelligent, measured, and highly principled President I've seen in my 67 years of life. It breaks my heart to see him so maligned, mostly by the media who seem to have little or no respect for anyone, as long as they can fill the 24 hr. news cycle. Thanks again, Nicholas, for a column well worth reading.

Carol Ingells

バラック・オバマは、私の67年の人生で見てきた中で、もっとも知的で慎重で高い信念を持った大統領です。特に、誰に対する尊敬の念もなくとにかく一日中ニュースを流すだけのメディアによって彼がこれほどの汚名を着せられるのを見るのは実に心が痛むことです。

ニコラスさん、読む価値のあるコラムを書いてくださってどうもありがとう。

キャロル・インジェルス


そして、民主党の敗北というのか、共和党の躍進が決まった後の書いた人の複雑な心境が込められた投稿にも胸が痛くなります。

 

Make no mistake, this is a referendum on Obama. And ultimately he has nobody to blame but himself. Not ignorant voters, not obstructionist Republicans, not opinionated, blowhard media pundits. Obama just wasn't bold enough; brash enough; progressive enough. He has neither teeth nor spine.
間違っちゃいけない。これは、オバマに対する国民投票なのだ。結局、自分を責めるより他ないことなのだ。有権者がバカなのでもない、共和党員が邪魔したからでもない、人の意見を聞かなかったせいでもないし、メディアのほら吹き評論家のせいでもない。単に、オバマが十分には勇敢ではなかった、十分には急がなかった、十分には革新的ではなかったということだ。彼にはやっつける破壊力も耐える気骨もなかったということだ。
I truly believe if people felt SOME sense of EQUITY and JUSTICE, the election results would not be so bad. If people from Wall Street, the ratings agencies, Fannie/Freddie Mac, the SEC, etc. had paid through the nose financially AND went to jail for putting us in this mess, people could at least take comfort that the POTUS was proactively enforcing a sense of right.
人々に公平と正義という感覚があるなら、選挙結果はこれほど悪いものにならなかったろうと心から信じる。ウォール・ストリート、格付け機関、救済された銀行、証券取引所等々の人々が、損害に見合うお金を支払ってこんな混乱に国民を引き込んだ罪の対価として監獄に行っていたなら、正義とは何かを示した大統領に国民は少なくとも何らかの満足はしただろう。
But no. Nothing.
それが、何もなかったのだ。
Yes, he had to save the economy---and he staunched the hemorrhaging. But why didn't he ante up when the going got tough and constantly give nationally televised addresses, explaining IN SPECIFIC DETAIL, what his ideal plan(s) were and who in Congress was blocking the necessary radical reform for which our country cries out. Remember how Kennedy stood up to US STEEL?
彼が、これ以上の出血を止めて経済を救ったのは確かだ。しかし、厳しい状況になった時、問題の詳細を説明し、彼がやろうとする計画が何か、国が悲鳴を挙げているのを即座に改善するため必要な施策を邪魔したのは議会の誰かを、どうしてテレビで国民に向かって語らなかったのか?ケネディ大統領がUSスティールの問題でどのように立ち上がったか思い出せ。
The Republicans have two years to groom a ticket. Congress is split. Dems are business-as-usual wimps; Republicans are business-as-usual crooks. A hard rain's gonna fall, indeed.

共和党員は、二年間好きなようにする切符を手に入れた。議会は真っ二つだ。民主党員は同じようにしていればいいだけの弱虫ぞろい。共和党員は、同じようにしていればいいだけのペテン師ぞろい。 土砂降り状態になる・・・まったく。


この投稿は背景事情を知らなければ理解できないかもしれません。

オバマ大統領は僅か一年半の間に、健康保険を持たない3000万人もの貧しい人が保険で病院に掛かれるようにしましたが、これは富裕な人々や共和党から猛反対を受けました。民主党議員の中にも裕福な人はいます。その一部の人たちからも反対されてアメリカを二部する大論争になったのです。法案を可決するためにオバマ大統領は共和党に妥協に妥協を重ねました。共和党の案を大幅に取り入れたために民主党支持者は、どうして妥協するのかと怒り、自分たちの案に近いものになったにも関わらず共和党は、オバマには何でも反対の姿勢を崩さず今でも法案を改正すると息巻いています。

倒産しそうな自動車企業2社を税金で救済しました。ウォール・ストリートの大銀行も救済しました。アメリカの経済を考えれば、倒産さえなかったことは正しいのですが、これも批判の的になりました。

メキシコ湾でBPの原油流出がありました。軍でも何でも投入して流出を早く止めろ、「お前にリーダーシップがないからできないのだろう」と散々な批判が飛び交いました。8月末に約束したとおり政府の主導で流出を完全に止めましたが、止めても誰も「よくやった」とは言いませんでした。

日本で天皇陛下に深々とお辞儀したことで、だらしのない大統領、アメリカのじゃ恥だと言われました。

 

ホワイトハウスは、もっとコミュニケーションを上手くやるべきだったと選挙戦後半に言いましたが、ちょっと遅すぎました。

リーダーシップがないオバマと言われ始めたのはBP原油流出騒ぎのころからですが、興味のある人はクリックしてお読みください。


なお、20回にわたって毎週月曜日「オバマ大統領を支える戦略家たち」と題したブログを書いてきました。第一回53日、最終回913日です。

今日の最後に、リスニング教材をもうひとつ。

メドベージェフロシア大統領が北方領土のひとつを訪問したことも大問題になっています。ロイターのビデオです。


それでは、

- | 13:56 | author y-brother | comments(0) | - | - | - |
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